日本針穴写真協会 2011年5月15日(日)例会ご報告


日    時: 5月15日(日) 14:30〜17:00
場    所: 神楽坂トワイシア ヒルサイドレジデンス パーティルーム
出 席 者: 8名(会員6名 理事2名) 田所美惠子 中島正己


震災後の諸般の事情により見送りしていました4月の例会を1ヶ月遅れで開催しました。例年より気温は少し高かったものの、五月晴れに恵まれたこの日の午後、総勢8名が集い、持ち寄った作品、カメラを披露しながら、様々な意見交換を行いました。その中の一部をご紹介します。

Nさんは、中間の諧調がよく出ている印画紙のネガを提示しました。通常、印画紙のネガはコントラストが強すぎてプリントで苦労しますが、曇天の木陰という状況を選び露光時間を長くする(15分)ことで、暗部がかなり改善することを実証しました。また、ネガ現像にはフィルム用現像液を使用しています。Nさんからはまた、次回の協会のワークショップで製作する4x5フィルム用の紙箱カメラの試作品の提示もありました。比較的シンプルな作りですが、4x5用ホルダーを使い安定性があります。

Kさんは、カラーとモノクロのブローニーフィルムを使い、自宅近辺と都内で撮影した写真を4つ切りに伸ばして見せてくれました。Kさんはとくに、針穴写真ならではの表現について興味があり、例会で意見交換することを期待しているとのことでした。
 
Eさんからは、大判カメラ製作で定評のある長岡製作所に特別注文した4x5用の木製カメラを披露しました。良質の素材を使った秒単位の露出とバルブを設定できるこだわりの一点ものです。
 
Aさんは、昨年インドで開催されたピンホールフォトコンテストで入賞しましたが、入賞者の作品をまとめた写真集「THE HOLE NEW WORLD」(インターネットで購入可能http://goa-cap.com/)と、その入賞作の一連のシリーズ(1インチ程度の大きさのミニチュアフィギュアを使った)を見せてくれました。また、会員のYさんが製作した非常に軽量の木製4x5カメラを持参してくれました。

Tさんの例会参加は2回目。私と同様に作品は持参しませんでしたが、今後の協会のイベントなどの運営に積極的に関わりたいという大変心強い意思を表明してくれました。
 
今年入会したばかりのNさんは早くも今年の会員展のDMで写真が選ばれ、展示用の大伸ばしに初めて挑戦することから、参加している経験者にアドバイスを求めていました。

Uさんも今年の会員展に出展する候補作品を持参したほか、同一の作品をサイアノタイプとモノクロのインクジェットプリントという異なるテクニックで表現の違いを見せてくれました。写真を載せる紙質にもこだわるとても丁寧な仕事は、針穴写真だけにとどまらない魅力を感じるものです。

最後に、横浜久里浜コミュニティセンターから7月23日(土)にワークショップを依頼されていますが、お手伝いできる方がいらっしゃいましたら是非ご連絡ください。よろしくお願いします。
 
次回の例会は同じ場所で7月に開催予定ですが、節電状況によっては変更となる可能性があります。皆さまのご参加をお待ちしています。(田所)
 


ホルガ改造カメラ(15mm) WS用紙箱45カメラ Eさんの特注45カメラ