日本針穴写真協会 2012年6月24日(日)例会報告


日    時: 6月24日(日) 14:30〜17:00
場    所: 神楽坂トワイシア ヒルサイドレジデンス パーティルーム
出 席 者: 5名(会員 理事名) 会員3名 田所美惠子 中島正己

今年から、例会はできる限り撮影会の後に日程を組み、撮影会で撮った写真を披露する場にしようということになったため、前回の例会から少し時間をあけての開催となりました。当初設定していた撮影会の場所が急きょ開催には不適当な場所であることが判明し延期となったため、残念ながら今回も撮影会との連動は実現できませんでしたが、参加者は作品やカメラを披露しながら様々な情報交換を行いました。
前回に引き続き参加されたKさん。今回もカラー写真とご自身でプリントしたモノクロ写真を披露してくれました。モノクロ用はペーパーを使い分けてご自分でプリントされているとのことで、今回はチェコ製のFoma社のRCペーパーを使用。そのうち針穴写真には純黒調のペーパーを使い、レンズで撮影した写真のほうは温黒調のペーパーを使って伸ばしたものを披露してくださったので、その違いを鑑賞することができました。市場から印画紙の選択肢がどんどんと奪われ、暗室作業好きにとっては苦戦が続きますが、それでもKさんによれば、「写真の最終判断はプリントの出来栄えだから」と、よい印画紙を求め続けているとのことで、暗室作業を一番楽しい部分と考える私としても大いに共感しました。
話題は金環日蝕の話になり、実際に針穴写真で撮影したという参加者はいませんでしたが、デジカメや日蝕用メガネを掛けての観察になりました。専らゾーンプレートで撮影をされているTさんからは、天体の撮影には照準器などを装備する必要があって個人で撮影するにはハードルは高いが、ゾーンプレートで撮影した写真をうまく処理すればレンズもかなわない精度の写真ができるとのことです。写真発明以前から天体観測に貢献してきたピンホールですが、存在感はまだ失われていないようです。
Nさんからは、「明るい暗室」の提案がありました。3月中旬に協会が実施協力した「わいわいフェスティバル」のために制作したという、赤いセロファン越しに現像作業が観察できる「D-BOX」。このD-BOXから更に簡易な筒型の現像タンクを考案し、制作したものを見せてもらいました。配管用のパイプと赤い下敷きを接着しただけのシンプルな作りですが、工夫した注ぎ口から薬品の出し入れを行うため、ダークバックを使用するのは最初に印画紙を装填する時だけです。銀塩写真の楽しさを知ってもらうためには、現像を視覚化するのが大切でいつも暗室作りに腐心しますが、こういった「明るい暗室」があれば、かなりハードルが下がります。
その他、8月の会員展に向けて、額装などの情報交換を行いました。
今後の課題としては、Kさんからのご希望として、この例会でもっと多くの会員同士がプリントを見せ合える場所にしてほしいとのことでした。参加者の人数が増やすことが一つの解決策にはなりますが、そのためには会員の皆さんにもっと気軽に参加できる場であることを知っていただきたいと思います。次回の例会は9月を予定しています。定員には十分余裕がありますので、皆さまのご参加をお待ちしています。(田所)

SONY NEX-5N パノラマ撮影
SONY NEX-5N ピンホール撮影(ピンホール径:0.2mm、0.4秒、ISO3200)
     
皆様お疲れ様でした。