日本針穴写真協会 2012年12月16日(日)例会ご報告


日    時: 2012年12月16日(日)14:30‐16:30
場    所: 神楽坂トワイシア・ヒルサイドレジデンス パーティルーム
出 席 者: 8名(会員 理事名) 会員6名 田所美惠子 中島正己

衆院選の投票日でしたが、師走とは思えないほどの穏やかな天気に恵まれて、会員8名が会場に集い、それぞれが持ち寄った作品やカメラを披露しながら意見交換を行いました。撮影会と例会を連携させ、撮影会の成果を例会で披露したいというご要望にお応えする形になってから初めての例会でした。その一部をご紹介します。
12月9日の新宿御苑の撮影会に参加したKaさん、Neさん、Naさんと私、それにJPPSに入会されたばかりのSさんを加えて、その時に撮影した写真を中心に披露しました。撮影してからあまり時間がなかったために、大伸ばしにしたものはありませんでしたが、カラー(ネガ、ポジ)ありモノクロあり、PCのスクリーンで見たり、アルバムに入れたり、インクジェットプリントで見せたりなど、写真のプレゼンの仕方もさまざまでした。撮影日は風があり、KaさんとNeさんの写真ではそれを活かしてススキの穂や枯葉の動きを意識的にとらえています。
Naさんは、ミラーレスのデジカメに針穴を取り付けたカメラで、同じ被写体(赤く色づいた葉)を逆光のフレアー入りとフレアーなしの写真で披露。予測不能なフレアー効果ですが、デジカメなら液晶画面で確認しながら撮影できると教えてくれました。
前回の例会でもご報告しましたが、ゾーンプレートに関心を抱くEさんは、今回は女性のモデルをデジカメピンホールで撮影し伸ばしたヌード写真を披露してくれました。ゾーンプレート特有の光の回り方が被写体と非常によくマッチしています。皆さんもご存じのゾーンプレートの大家Taさんが今回参加してくださったおかげで、ゾーンプレートに関する技術的な疑問などに直接お答えいただくことができました。Taさんご自身は、自作した3種類のゾーンプレート用の交換レンズを見せてくれました。
Koさんが披露したのは六切程度に伸ばしたカラー写真。3つの穴を同時に開けて撮影したマルチピンホール写真は一続きの自然な流れです。そのほかに一枚ひときわ鮮やかなプリントがあり、デジタル処理をしたのかと思ったら、撮影中のピンホールカメラの前に赤だけを鮮やかにするフィルターを掛けた(ぶら下げるだけ)とのことでした。色の変化だけでなく全体の描写がかなり絵画タッチにもなり、面白い効果が得られていました
今回の例会で非常に印象的だったのは、デジカメと針穴写真の共存、ゾーンプレートの可能性です。針穴写真を取り巻く環境は厳しくなる一方ですが、便利さという観点からではなく、新たなメディアや光学の面白さを開拓する楽しさも予感させられる例会でした。
次回例会は来年3月に開催予定です。皆さま、お気軽にご参加ください。(田所)

皆様お疲れ様でした。