日本針穴写真協会 2015年3月22日(日)例会ご報告


日    時: 2015年3月22日(日)13:30‐15:00
場    所: 神楽坂トワイシア・ヒルサイドレジデンス パーティルーム
出 席 者: 名(会員6名 理事6名)  遠藤志、田中、松久、遠藤優、中島、田所

お彼岸の日曜日でしたが、会員(6名)と理事(6名)の12名がいつもの会場に集いました。今回は例会後に今年の会員展のDMに使用する写真を選出することもあり、普段の例会よりも多い人数が集いました。
Esさんは4台目(6x6p 6x7p リムジンに続いて)のホルガ改造カメラ6x9pを披露。プリント時のペーパーサイズに無駄が出ないのと、いい具合の周辺の光量落ちが得られるというのがその理由ですが、ベルビアを使いこのカメラで実際に撮ったプリントを見て納得。ゆりかもめの先頭に乗車しながら撮影した一枚は、よりよい撮影場所を求める努力に敬服
前回マミヤプレス2台で改造したパノラマカメラ(6x17p)を披露してくれたSaさんは、今回も同様にマミヤプレスを6x12pのフォーマットに改造したカメラと、これらのカメラで撮った写真(カラーとモノクロの堂ヶ島、モノクロの竹林、カラーの高尾山)を披露。日没間際を狙った島の美しいシルエットや、近景と遠景を同画面に取り込めるパノラマサイズならではの工夫が生きています。
いつも大伸ばしのプリントを持参してくれるKaさんは今回、御苑の風景や都会風景をスナップショット的にとらえるやり方で撮った渋谷や西新井大師の酉の市のカラー写真を披露。手作りの広角カメラで被写体にかなり接近し、時間をかけて撮影するのは普通気が引けるところですが、ご自身はそれほど気にも留めない様子。針穴で撮る前から普通のカメラで培ってきた独自のスタイルの長年の成果なのだと感心します。
話題はその後しばらくデジタルカメラに。Eyさんから前回の例会に参加していなかった会員のために再びトヨビューの4x5カメラを利用したフィルムデュプリケータの説明があり、同じ画像を使ったスキャナによる複製と比較をしました。再びEsさん。今度はミラーレスデジタルピンホールカメラを使い、1/50秒で手持ち撮影した街中のスナップ。交差点や石畳を行き交う人々を捉えたボケ味の美しい写真です。
Kiさんの写真もデジタルの針穴写真。1/4秒のシャッタースピードで揺れる水仙を捉えたものと、50年前のレトロなおひな様を自然光で撮影したものです。デジタルはこのようにアナログな針穴の世界でも少しずつ浸透してきています
例会も終了間近になってNaさんからは興味深い発表がありました。宮崎大学工学部助教授の宮城弘守氏から協会に依頼があり、Naさん撮影の針穴写真数点を研究のために提供したそうです。宮城先生は竜巻の規模(竜巻の渦の中心軸の大きさ)をその画像からを測定するという手法で研究されている方で、収差のない針穴写真を拠り所に正確な分析を行うことが目的です。後日、宮城先生は徳島大学で行われた日本風工学会年次研究発表会で「画像から推定する竜巻速度場に関する研究」を発表されたということです。宇宙工学以外の科学の分野でも針穴写真が役立つという好例の一つは、私たちにとっても誇らしいニュースです。
次回例会は6月を予定しています。詳しい日程は5月10日頃にご案内します。まだ参加されたことがない方も、会員展前のこの機会にどうぞお気軽にご参加ください。(田所)


皆様お疲れ様でした。