日本針穴写真協会 2017年6月25日(日)例会ご報告


日    時: 2017年6月25日(日)13:30‐15:30
場    所: 神楽坂トワイシア・ヒルサイドレジデンス パーティルーム
出 席 者: 8名(会員4名 理事4名)  遠藤優、中島正己、松久秀春、田所美惠子

朝からの雨も昼過ぎにはやみ、3か月に一度の例会には会員4名と理事3名の計7名がいつもの会場に集まりました。その例会の一部をご報告します。
まだ全員が揃わない時でしたが、Saさんから気がかりな情報がもたらされました。富士フィルムAcrosの4×5インチの製造中止が決まったとのこと。満足のゆく画質を得るのにネガサイズは大きいほど有利なことから4×5インチを使用する愛好家は多いので、このサイズがなくなるのは致命的な痛手となります。
さて、最初に口火を切ったのは例会初参加のMoさんで、すべてネットで探した中古部品を使って改造した3種類のカメラを披露してくれました。@4×5用カメラ(ポラパックの部品利用)Aブローニーサイズ(焦点距離19o 針穴径0.2o)B富士フィルムのチェキ(焦点距離32.5o)。そのうちのBは作例も持参してくれましたが、マンホールを至近距離に置いて撮影したものなど針穴写真の特徴がよく出ています。@とAのカメラはまだ撮影してみたことがなかったそうですが、会場で期限切れのフォトラマフィルムで試したところ(室内40秒)撮影に成功しました。超広角にもかかわらず画面隅々まで光が回っていたのは意外でした。
OgさんはFUJIのデジカメX-T2で撮って伸ばしたカラー写真2点を見せてくれました。奥まで続く一本道を覆う木漏れ日で、地平線を画面の上のほうにずらすことでさらに被写体が強調されています。2点は同一地点ですが、片方は自転車に乗った人が映っています。デジカメならではの瞬間がとらえられていて、印象派の絵画を見ているかのようです。
Saさんは手作りの4×5カメラで撮った灯台のある夜明け前の空の写真を、富士フィルムのベルビアとネガカラーで撮り分けて比較して見せてくれました。前者はピンクがかった色調なのに対して、後者は針穴写真ではあまりお目にかからないような深いブルーの空の色です。夜明け前の撮影なので肉眼にはグレーとしか見えないのに、フィルムではブルーを感知するそうで、夕焼け後も含めてその時間帯のことをブルーモーメントというそうです。シャッターは夜明け前から開けはじめて、5分露出が適正となった時点で閉じるとのこと。晴天の幸運を願いつつ、暗い時間帯から準備してじっと獲物を狙う感覚でしょうか
Naさんはホースマンのバックに合うように4×5インチ用のカメラパーツを改造した端正な造りのカメラを見せてくれました。6×12センチのフォーマットで6枚撮りするための工夫で、焦点距離は30oです。
Taさんは直径2センチ程度のマウントに仕掛けた、焦点距離とゾーン数の違う数種のゾーンプレートレンズを持参してくれました。デジカメに望遠レンズを取り付けて覗きましたが、にじんだような柔らかな反射光が確認できました。
次回の例会は9月を予定しています。日時は8月上旬にお知らせします。大勢の皆さまのご参加をお待ちしています。(田所)


皆様お疲れ様でした。