日本針穴写真協会 2018年6月24日(日)例会ご報告


日    時: 2018年6月24日(日)14:30‐16:30
場    所: 神楽坂トワイシア・ヒルサイドレジデンス パーティルーム
出 席 者: 9名(会員6名 理事3名)  遠藤優、中島正己、田所美惠子

蒸し暑い梅雨の中休みの午後、会員6名と理事3名の計9名がいつもの会場に集まりました。
3月に入会されたばかりのOkさんが大阪から例会に初参加、自作カメラと作品を披露してくれました。2010年から針穴写真を始めたというOkさんのブローニー用カメラ2台は、動物(カバと山羊)の角の巻上げ用つまみをつけた木目の美しいボディに、デザイン的にも優れたスライドシャッターの仕組み、ピンホール径は0.18o、焦点距離は25〜26o。被写体は機械の部品、橋、雪景色などで、比較的短時間の露出で撮影されたスクエアフォーマット。
Saさんも様々なカメラ(映画撮影用も含む)のパーツを換骨奪胎して作った300oのゾーンプレート付望遠カメラを披露。そのカメラで撮った写真は印象派風の鮮やかな色彩の海辺や公園風景。人物がぶれていないのはシャッタースピードが50分の1だから。1000o用のゾーンプレートもTaさんからいただいたので、いつかそちらのカメラも作ってみたいとか
Koさんからはこれらの画像をキャンバス地に転写してみたら印象派のイメージが強調されてより面白くなるのではないかというアイディアが出されました。
次いで、Eyさんが披露した写真は、50o用ゾーンプレートで撮ったカラーの野菜と、無機質なオブジェをモノクロで撮った紙ネガとポジ。ゾーンプレート特有のフレアはソフトを使って「霞み取り」の処理をしています。
Kiさんは前回の例会に続き、デジタルピンホールの水中写真。見るからに重たそうで高価な装備を着けて沖縄伊江島でイソギンチャクやクマノミを針穴することから、カメラショップの人には「カメラが泣いている」と言われたそうですが、ISO25600で撮るデジタルならではの静止した水中写真は、フォトショップなどで修正していないものの非常に鮮やかな色彩です
Naさんからは、スマートフォン(Android)アプリの露出計の紹介がありました。これまでAndroidでは使えるアプリがなかったそうですが、このアプリが優れているのは@反射式、入射式の測光が可能AF値、ISO値、シャッター速度の任意の値を追加できるB反射式測光時に画面タッチにより測光ポイントを指定できる、という針穴写真にとって都合の良い特長があるとのことです。
ところで、毎回話題に上るゾーンプレートは針穴の一種と考えられているものの、WPPDではどのように判断されるか確かではなかったため、Saさんは今年の参加を控えたそうです。また、針穴写真で撮ったにもかかわらず、シャープすぎるという理由でWPPDから拒否されたという話も出ました。これまで実践者は直観的に針穴写真の画像かどうか判断してきましたが、レンズで撮ってソフトで処理した画像とどうやって見分けられるか?と聞かれれば、返答に窮するかもしれません。
 
さて最後に、ステンレス製のリール(35o用とブローニー用)をお譲りします。ご希望の方はmasaru@job.email.ne.jpまで連絡下さい。
2ヶ月後の会員展は「東京8×10組合連合会」の写真展と同時期に江東文化センターで開催されます。大判フィルムの入手が困難な時代ですが、大いに刺激をもらい、新たな作品作りに結びつくことを期待したいと思います。次回例会は9月を予定しています。日時は8月上旬にお知らせします。大勢の皆さまのご参加をお待ちしています。(田所)


皆様お疲れ様でした。