日本針穴写真協会 2019年6月16日(日)例会ご報告


日    時: 2019年6月16日(日)14:30‐16:30
場    所: 神楽坂トワイシア・ヒルサイドレジデンス パーティルーム
出 席 者: 6名(会員4名 理事2名)  中島正己、田所美惠子

大雨の肌寒い前日とは打って変わり、すでに梅雨明けかと錯覚するような真夏日となった日曜日の午後、会員4名と理事2名の計6名がいつもの会場に集まりました。
毎回ゾーンプレートの話題で例会を盛り上げてくれるEyさんがこの日はあいにく不参加となりましたが、前回Eyさんが特殊な機械を使ってシート上にプリントしたゾーンプレートは、普通のフィルムで作成したものよりプリントの分解度が良いと、Taさんから高評価をもらいました。そのTaさんは、NextPublishing Authors Pressから4月に出版したオンデマンド(ペーパーバック、110ページ)の著書『やわらかな光と影 絵のようなゾーンプレート写真』を紹介。「ゾーンプレート写真を広く紹介するために、特にゾーンプレート写真の特徴の解説に力を入れて、ゾーンプレート写真の基礎知識とゾーンプレート写真ギャラリーから構成されています。」(Amazon内容紹介より)とあり、ゾーンプレートをこれから始めてみたい人にとって福音となることでしょう。
本格的な工作で中古カメラを改造したものを披露してくれるSaさんは、今回はそのようなカメラの宿命ともいえる光漏れのチェックに有効な方法を実演してくれました。きっかけは、隣人の協力の下、苦労して撮影した竹の写真に光線引きを発見したこと。そのとても残念な結果に触発されて、このブローニー用ホルダーの中にLEDのミニライトを閉じ込めて観察し、光漏れの箇所を突き止めたとのこと。暗い部屋の中で長時間観察している姿は家人からもかなり不審がられたそうですが(笑)…
前回、古典技法に取りかかり始めたOgさんですが、サイアノプリント用の大判ネガの作成はまだこれからだということで、今回はデジカメピンホールで最近撮影した写真のプリントを十数枚見せてくれました。撮影場所は、横浜の海の見える丘公園、4月のWPPDの葛西臨海公園と6月のトーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園。ここで高下駄を履いた大道芸人に遭遇し、くるくる翻る衣装を1/2秒で撮影したものが非常に面白い効果を出しています。数カット撮ったうちの1枚だそうで、動画も見ましたが、デジカメの利点が非常に良く反映された被写体です。
今回は参加人数が少なかったため、それぞれの発表の後は、一つのテーブルを囲んで様々な話題で自由におしゃべりを楽しみました。その中で、ムービー用レンズでは、カールツァイス社の高級レンズのコーティングをわざわざ削り落としたレンズが良く売れているといい、それはシャープさとは逆行するボケ味に再び人気が集まっているからというSaさんの見解。針穴と同じような流れにあるのでしょうか、とても興味深いものがあります。
次回例会は会員展2019の後の10月を予定しています。展示された様々な作品から新たな創造意欲が芽生えるかもしれません。気軽な情報交換の場としてこの例会を大いに利用して欲しいと思います。日時は9月上旬にお知らせします。大勢の皆さまのご参加をお待ちしています。(田所)


皆様お疲れ様でした。