日本針穴写真協会 2023年1月22日(日)例会ご報告


日    時: 2023年1月22日(日)14:00‐16:30
場    所: 神楽坂トワイシア・ヒルサイドレジデンス パーティルーム
出 席 者: 6名(会員3名 理事3名:遠藤 優、中島正己、田所美惠子)  

いつもの会場は今年に入りようやく飲食制限が完全に解除されましたが、引き続き感染対策をしたうえで、会員3名と理事3名の計6名で例会を行いました。
最初に、日本針穴写真協会会員のMさんを通じて日本写真学会主催のカメラ技術に関する講演の依頼が日本針穴写真協会にあり、理事のNさんが昨年11月18日にTOP美術館内の会場で講演した旨の説明がありました。その際に使用したパワーポイントの資料に、後日、音声を重ねて作成したビデオを、例会の会場で視聴しました。
この講演の中で、Nさんが針穴写真に最初に興味を持ったきっかけや、最初に作ったカメラ、太陽黒点撮影用カメラ、最小のカメラ、多孔式カメラ、パノラマカメラ、3Dプリンタで制作したカメラなど、針穴の特性を生かしたカメラの紹介があり、普通のカメラで撮った写真との比較、周辺の光量落ちを軽減する撮影方法などを説明し、30分あまりという短い発表時間でしたが、技術系の聴講者が多い聴衆にも針穴写真の魅力をしっかりと届けることができました。このビデオは後日YouTubeにして視聴できるようにするとのことです。
前回の例会でも3Dプリンタで制作したカメラを披露し話題になりましたが、Nさんは今回さらに新作の6×17のパノラマブローニーカメラ(局面での巻き上げをスムーズに行うために工夫された装置付き)と、JPEGファイルにした画像(針穴写真に限らず)の明度差によって作り出される、黒または白のレリーフ像や、JPPSのロゴを球体に浮かび上がらせた立体像など、3Dプリンタ制作の副産物も披露してくれました。
Saさんは、1000ミリ用のゾーンプレートを取り付けた望遠カメラでの撮影風景を写真で見せてくれました。超ロングの蛇腹と接写用リングを組み合わせたカメラは、周囲の人の目を大いに引いたようです。また、21ミリのゾーンプレートで撮った広角の風景は、カラーのグラデーションが美しい描写になっています。
ゾーンプレートを研究するEyさんは、『回折光学系写真術 ピンホールから位相型ゾーンプレートまで』(笠原修平著 2014年)の中で解説されている、ゾーンプレートでクリアな画像を得る方法についてTaさんと意見交換をしていました。
少し難解な内容のようですが、ゾーンプレートにご興味のおありの方はぜひ読んでみてください。
次回例会は3月を予定しています。詳細は2月上旬にお知らせします。少しずつコロナ前の日常が戻り、皆さんと再び楽しく有意義な時間を過ごせますようにと願っています。(田所)


皆様お疲れ様でした。