日本針穴写真協会 2023年3月26日(日)例会ご報告


日    時: 2023年3月26日(日)14:00‐16:30
場    所: 神楽坂トワイシア・ヒルサイドレジデンス パーティルーム
出 席 者: 8名(会員5名 理事3名:遠藤 優、中島正己、田所美惠子)  

お花見に最適な時期の開催でしたが、前日に続いて季節外れの氷雨となってしまいました。例会は参加者も増え、会員5名と理事3名の計8名がいつもの会場に集まりました。今回の例会ではHさんとMさんが、それぞれの研究成果を発表して大変充実した例会となりました。
まず、Hさんは「ピンホール、ゾーンプレートの高画質化について」と題して充実した配布資料とともに、0.2ミリ径ピンホールf=50mmとf=29mm、ゾーンプレート50mm ではf=52mm とf=57mmに、それぞれRGBのフィルターを着けて撮影したモノクロ画像を比較しながら、よりシャープな画像を得るには波長の短いブルーのフィルターを使うことが有効であること、また、回折現象などにも言及しながらピンホール最適孔径についての考察を披露しました。
一方、Mさんは「周辺減光の検討とZP(ゾーンプレート)のシフト」と題してPCを使い、晴天の青空を対象としたレンズとゾーンプレートの周辺光量の低下を観察しながら、減光の要因を探りました。また、独自に考えたユニークな対処法として、中心をずらしたゾーンプレートを回転させながら花、結晶、クルマ、招き猫などを撮影した多重画像を披露しました。
Mさんの発表の中でも登場したZPにおけるフレアの問題については、Saさんが前回も披露した1000ミリ用のゾーンプレート望遠カメラを使って、フレア防止のレンズフードの必要性に言及しました。
Oさんは、黒布の上に置いた鮮やかな椿の一枝を撮影したカラーとモノクロのプリントを披露。愛用機GFX50Sピンホールカメラを使い、ストロボのマルチフラッシュを焚いて撮影したそうで、つややかな赤と緑に加え、黒布の襞もきれいに描写されています。
Eyさんは、ゾーンプレートで撮影した花束をモチーフに使ったという昨年制作したポスターを披露し、デジカメ+ゾーンプレートによる商業写真の可能性を切り拓いています。
Nさんからは冒頭に、今年2月16日に木更津市のクルックフィールズ内にオープンした「地中図書館」に関して報告があり、地上から光を取り込むためのピンホール装置について相談を受け数回やり取りをしたそうです。施設利用は、メンバー限定事前予約制とのこと(後で検索してみたところピンホール装置の言及はないものの、採光装置としての天窓の画像が見つかりました)。また、3月21日に実施された川崎市アートセンターでの小学校高学年対象のワークショップでは、従来のキャビネ判カメラが使えなくなったため100円ショップの紙箱を制作すると同時に、撮影時に斜めに保つための支えを考案。さらにデジカメのレンズキャップを3Dプリンタで試作し針穴を取り付けたものを見せてくれました。
今回の例会でもゾーンプレートに関する質問が数多く出ましたが、時間が短かったため、Taさんが近々アップするYouTubeを参考にする必要があるようです。
 
 コロナ下で時間を短縮した形で開催してきましたが、次回例会は時間を1時間延長して6月下旬を予定しています。詳細は5月上旬にお知らせします。皆さまのご参加を楽しみにしています。(田所)


皆様お疲れ様でした。