日本針穴写真協会 2023年6月25日(日)例会ご報告


日    時: 2023年6月25日(日)14:30‐17:00
場    所: 神楽坂トワイシア・ヒルサイドレジデンス パーティルーム
出 席 者: 10名(会員7名 理事3名:遠藤優、中島正己、田所美惠子)  

梅雨明けのような真夏日でしたが、参加者は前回よりさらに増え、会員6名と理事3名の計9名がいつもの会場に集まり、2時間半、和気あいあいと針穴談義をしました。
今回の例会は日本針穴写真協会の賛助会員のYさんとHaさんが初めて参加しました。お二人は、今回参加した会員たちにも重宝されているデジタルカメラ用の針穴やゾーンプレートなどの非レンズ撮影機材を、Taさんの監修の下で制作販売をしています。
会員のSaさんもその一人で、105mm用のゾーンプレートで稲村ケ崎からの富士山などを撮影したカラー写真を披露、ミルキーな描写が印象的でした。
例会の冒頭にTaさんから「ゾーンプレートとレンズを組み合わせるとより鮮明な映像が得られる」という発言がありました。日本針穴写真協会では「レンズを使わない」のが大前提なので、どういうことだろうかと話を伺うと、ゾーンプレートの場合、焦点距離が長くなるにつれて径が大きくなりボケの度合も強くなるので、その原因となる直進する透過光の影響を打ち消し、像を結ばせないためにレンズの助けを借りるとのこと。ゾーンプレートと言えば、弓の的のような黒い同心円のもの(振幅型ゾーンプレート)しかイメージしていなかった私ですが、Eyさん自身が撮影した、手前に花が咲き乱れる光景を並べて比較することで、振幅型と位相型のゾーンプレートの描写の違いを説明してくれました。
Maさんは今回もまた「手ぬい針を使ったピンホールの作成」と題して、自ら検証した結果を資料とともに全員に配布しましたが、今回のテーマは「針穴」、といってもとがった先端部ではなく、糸を通す穴のほうを使って撮影するというもの。穴の縁が鋭利でないことから画像は鮮明でなく、また穴の形状が細長い(0.3mm x 0.8mm)ことから縦使いにすると天地が引伸ばされ、横使いにすると左右に引伸ばされるという描写の違いを実証しました。
3Dプリンタでのカメラ作りが止まらないNさんは、協会のオンラインワークショップに次々とカメラ製作の過程を公開中ですが、今回もオリジナリティあふれる2台のカメラを披露。一つはポケットにすっぽり入る巻き上げ装置が付いた35ミリ用カメラで、焦点距離12o、針穴径0.12o(銅箔厚0.01)、F値100、画角120。もう一つは、中古のリボルビングアダプタを取り付けたブローニー6x8のMamiya FBのために制作した交換レンズ。焦点距離の異なる4種類の針穴付きレンズボードのセットは、3Dで自作した専用ケース付き。
最後にお知らせとして、Maさんからは、伊藤園おーいお茶の新俳句大賞 新俳句フォトの部に出品したというMaさんの作品(浅野喜弘氏の俳句)を配布し、他の会員たちにも出品を奨めました。
私はgallery bauhausで9月16日まで開催中の「7人の女性写真家」に私自身も参加していることから案内状を配布しました。
暑い中例会に参加された皆様、お疲れさまでした。次回例会は10月初旬を予定しています。詳細は9月上旬にお知らせします。皆さまのご参加を楽しみにしています。(田所)


皆様お疲れ様でした。