日本針穴写真協会 2024年9月29日(日)例会ご報告


日    時: 2024年9月29日(日)14:30‐17:00
場    所: 神楽坂トワイシア・ヒルサイドレジデンス パーティルーム
出 席 者: 7名(会員4名 理事3名:遠藤優、中島正己、田所美惠子)  

ようやく猛暑から解放された感のある秋の例会には、8月に入会されたばかりのObさんが初参加、和やかな雰囲気の中で総勢7名による針穴談義の午後を過ごしました。
最初にNaさんから、今年11月7日発売(予約注文 \5,500)の学研「大人の科学マガジン35oフィルムカメラ」の紹介がありました。「レンズもピンホールもハーフも撮れる」カメラとあるように、カメラの原点を紹介する見開き4ページでは、日本針穴写真協会の協力のもと、針穴写真の特徴ごとに会員の作品が掲載されています。
Enさんからは、前回の例会で提案した20o〜180oまでの9種のゾーンプレートが販売されることになったという報告がありました。リンホフボードに取り付けられるように、50oの鉄板に穴を開けそこにゾーンプレートを貼り付けて試写したカラーの風景・ポートレートで、ゾーンプレートの種類ごとの描写の違いを披露してくれました。
Hoさんは、針穴カメラに改造したプラスチック製2眼レフカメラBRILLANTを、FIRECORE社のレーザー用エレベータ三脚に載せ、ファインダーで確認してから高さ調整する方法を説明しました。
DIY愛好家のSaさんは、水平線の位置を上げ下げできるようにしたターレット型ピンホールを、4x5のTOYOビューに取り付けていますが蛇腹の動きが非常にスムーズです。今回はゾーンプレートで撮影したカラーの海景も一緒に披露しました。
Ogさんは、FUJI FILMのデジカメに、3Dプリンタで自ら製作した0.1mmと0.2mm用の針穴のボードを取り付け、シャッタースピードISO12800 で撮影、モノクロプリントの街角風景に映りこんだ鮮明過ぎないけれども静止した人物が不思議な味を出しています。
冒頭の初参加のObさんは、木箱を利用し、バックに4x5のホルダーと6x9のホルダーの双方を取り付けられるように工作したカメラを披露しました。シャッターはマグネット付きでコンパクトな造りのカメラは使いやすそうです。
8月の会員展からまだ二月も経たないというのに、Naさんはさらに十数台のカメラを制作し、今日はそのうちの半数程度のカメラを披露しました。一連のカメラは課題解決のための試作品(とはいえ高い完成度)。きっかけは会員展で入手したLeicaの赤丸のロゴと見紛うEurekaと書かれたカメラのようなデザインの長方形の缶でブローニー用カメラを作ろうとしたこと。缶のデザインを生かして蓋のほうに針穴を取り付けようとすると、缶の底でフィルムを巻上げなくてはならなくなり、その課題を解決すべく、必要な部品を次々と3Dプリンタで作り改良を重ねて、最後は既成のカメラのような体裁に見えるものの、蓋は裏ではなく表にあるという逆転したボディが完成。さらに、サイコロケースに入った立方形カメラは焦点距離が可変で、しかも箱の外側に小さなマグネットを置けば焦点距離を知らせてくれるという、遊び心満載のカメラも。文字では伝わりにくいのがとても残念です。これまでNaさんが制作した各種針穴カメラは現在、JPPSホームページで会員用に販売されています。
次回例会は12月に忘年会を兼ねて開催する予定です。詳細は11月上旬にお知らせします。奮ってご参加ください。(田所)


 

皆様お疲れ様でした。